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“石井魂”ヒットアンドアウェーでルヴァン制した湘南(スポーツ報知)




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出典元: ルヴァン杯表彰式で喜ぶ湘南ベルマーレイレブン

湘南のルヴァン杯初制覇を、きっと天国で喜んでいる人がいる。元サッカー日本代表監督の石井義信さんだ。石井さんは今年4月に79歳で他界。葬儀に参列したが、数多くの著名サッカー関係者に見送られていた。湘南ベルマーレの前身となる藤和不動産でコーチ兼選手、フジタでは監督を務め、Jリーグ発足後にはベルマーレ平塚で強化部長などを務めた人だ。

 私が北京五輪担当だった時、石井さんは反町康治監督率いる代表チームのアドバイザーとして遠征にも帯同していた。2007年の北京五輪アジア予選の最中に、自身が日本代表監督だった時の話をしてくれたことがある。当時、反町ジャパンは、ホーム&アウェー方式により広いアジアで時差や環境などに悩まされることが多かった。その頃の常識としては、試合の何日前かに入って、いかに時差と環境に順化するかということが一つのテーマだった。

 石井さんの話は、その常識を覆すものだった。「僕らが代表でアウェーの試合がある時は、(時差や環境に慣れるとか)そういうのじゃなくて、試合の直前に現地に入って試合をしたらすぐ帰る『ヒットアンドアウェー』っていうのがあったんだ」。無理に現地時間、気候に合わせるのではなく、滞在時間をなるべく短くして、直前に入って直後に去る、という今となっては斬新な考え方だった。

 今回、ルヴァン杯決勝で湘南の対戦相手となった横浜Mは現地・埼玉に異例の2日前入りで調整。だが、湘南は前々日は平塚市内で練習し、前日練習だけを埼玉で行った。アウェーではないが、これも見方によっては「ヒットアンドアウェー」。前日は会場練習が決まっていたため埼玉スタジアムでの調整となったが、なるべくいつもと同じ環境で調整し、ルヴァン杯初制覇のタイトルを獲得した。現在の湘南を築き上げた恩人も天国で、拍手を送っていることだろう。

 ◆恩田 諭(おんだ・さとし)1978年、松江市生まれ。2001年に入社し、静岡支局ではJ1磐田担当として史上初両ステージ制覇を取材。08年北京五輪、18年ロシアW杯も現地で取材した。


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