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圧巻Vの羽生 新ルールの壁を越える!(東スポWeb)




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出典元: 圧巻の演技でGP初戦を制した羽生は、前人未到の領域へ突き進む(ロイター)

【フィンランド・ヘルシンキ4日発】前人未到の境地に達するのか。フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ・フィンランド大会男子フリーで、ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(23=ANA)が世界初となる4回転トーループ―トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させるなど190・43点をマーク、合計297・12点で優勝した。今季からの新ルールのもとではSP、フリー、合計とも世界最高得点。今後の見立てでは、なんと旧ルールで出した自身の世界最高得点(合計330・43点)を超える可能性まであるという。

 100%の実力を発揮するのは難しいシーズン序盤。金博洋(21=中国)、ミハイル・コリヤダ(23=ロシア)と、いずれも世界選手権銅メダルの実績を持つ実力者がミスを重ねた。そうした中で、羽生は世界初の連続ジャンプを組み込んだ高難度のプログラムを大きなミスなく滑り切った。シニアデビューから8季連続で勝てず“鬼門”とも言われたGP初戦を初めて制した。

 冒頭の4回転ループは回転不足となり、着氷でバランスを崩したが、なんとか踏ん張ると続く4回転サルコーはクリーンに着氷。得点が1・1倍になる演技後半の4回転トーループ―トリプルアクセルは体勢が崩れ、GOE(出来栄え点)でわずかにマイナスを取られた。羽生は「加点をもらえてこその成功」と悔しがったが、またしても歴史にその名を刻んだ。

 元国際審判員でフィギュアスケート解説者の杉田秀男氏(83)は「この時期にあれだけの演技ができるのはさすがと言うほかない」とフリーの演技を大絶賛だ。世界初の連続ジャンプについては「(4回転)トーループの軸がやや崩れたことが、次のトリプルアクセルに影響した。あの体勢からトリプルアクセルが跳べることがすごい」と分析した。

 ただ、連続ジャンプの2本目は着氷する右足で踏み切らなければならない。4回転―3回転半は技のつなぎで左足に踏みかえるため得点は0・8倍。それでも挑戦したのはあくなき向上心からだ。

 4回転ループだけでなく、単独の4回転トーループでも回転不足を取られるなど「ジャンプを中心に考えると、羽生選手の中では6割から7割の出来ではないか」(杉田氏)という中でも、2位に40点近い差をつける圧巻のV。今季から適用された新ルールで、試合数が少ない段階とはいえ、合計の世界最高得点は15点以上更新した。

 新ルールで基礎点が1・1倍となるジャンプは後半最後の3つのみ。高得点への“壁”ができた格好だ。今後の注目は、その中でどこまで点数が伸びるのかだ。杉田氏は「新ルールではフリーのジャンプが1つ減り、後半のジャンプの加点が3つまでと、点数が伸びにくい一方、GOEが11段階になり、質のいい演技をすれば、大きく加点が取れるようになった。300点は早い段階で超えてくるでしょうし、本人がこれ以上できないという演技をすれば、以前の記録を超えることもあり得ます」。

 小さなミスがあったいくつかのジャンプに加え、SP、フリーとも最高評価のレベル4を取れなかったステップを修正すれば、大幅に得点が伸びるのは間違いない。特にステップについては「ジャッジがどう評価するのか、今回の結果を分析して、本人もコーチ陣も“これならどうだ”というものをすぐにつくり上げてくるはず」。2週後のGPシリーズ・ロシア大会(16日開幕)までに仕上げてくる可能性が高いという。

 将来的には4回転半ジャンプへの挑戦も控えており、成功すれば、これまでにない大きな得点源になるのは確実だ。300点超えは完全に通過点。五輪連覇で頂点に立った羽生がさらなる高みに到達しようとしている。


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