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「ウェザーニューズ」が箱根駅伝でリアルタイム気象情報提供…失速・棄権の防止になるか(スポーツ報知)




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出典元: 2015年1月2日、箱根駅伝往路5区でフラフラになりながらゴールした駒大・馬場翔大

気象情報会社「ウェザーニューズ」が、来月2~3日に行われる第95回箱根駅伝で、気象情報サービスを複数の大学に提供することが29日、分かった。同社は30日から駅伝コース各地点の気象予報を各大学のパソコンに送信。レース当日も、観測したデータをリアルタイムで知らせる。箱根に特化した気象情報をパソコンを通じて通知する試みは初めて。大学ごとのレース戦略に生かされるほか、箱根で頻発する体調不良による失速・棄権の防止にも効果を発揮しそうだ。

 箱根駅伝のレース戦略に、初めて「気象情報」が取り入れられる。ウェザーニューズ社スポーツ気象チームの浅田佳津雄チームリーダー(43)は「駅伝は気候条件によって戦略も変わる。かなり画期的なサービスだと思いますよ」と自信を見せた。同社は複数の有力校と提携。大学名は非公表だが、事前には多くの大学から興味を示されたという。

 サポートを受ける大学には、パソコンで本番3日前の30日からコース23地点の「気候予測」を通知。箱根は当日までメンバー変更が可能なため、「追い風に強い選手」「雨に強い選手」など選手個人の特性を生かした戦略をギリギリまで考えることが可能になった。さらに当日は、「スポーツ気象チーム」の6人が各中継所に機器を持ち込んで観測を実施。天気、風、温度、湿度、気圧など刻々と変化する気象条件をリアルタイムでメール送信する。

 浅田さんによると、各大学関係者からは「山上り時の、平地と山の気温差」(5区)、「内陸から海岸部に入ったときの風の強さ」(3区など)、「復路で都市部に入ったときの、ビルの日陰による寒さ」(10区など)の3つが、特に知りたい情報として話題に上っていたという。

 とりわけ5区は、高低差約860メートルを一気に駆け上がることから、体調不良選手が頻発する魔の区間だ。2013年には中大・野脇勇志(当時4年)、城西大・浜本栄太(同4年)の2人が途中棄権。15年にはトップを走っていた駒大・馬場翔大(同3年)がフラフラになって4位に転落し、“新山の神”青学大の神野大地(同3年)の大逆転を呼んだ。いずれも原因は低体温症だった。

 浅田さんは「例えば昨年は箱根で突然雪が降り、山の上と下とで5~6度ほど気温差が出た。この条件で体が温まらないタンクトップなどで走れば、急に体が冷やされて低体温症を引き起こしやすくなる」と指摘。「気象情報が行き届き、事前に対策を取ることができれば、悲劇は未然に防げることができるんです」と強調する。

 今回の箱根で初導入されるITを駆使した気象戦略は、「フラフラ棄権」「フラフラ失速」を減らし、選手がベストなパフォーマンスを発揮する手助けになりそうだ。


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