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清原和博氏、3年ぶり公の場で本音吐露 「薬物は一時的にやめられても、やめ続けることは難しい」(夕刊フジ)

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出典元: 清原氏は依存症と闘う心境を真摯に語った

西武、巨人、オリックスで日本プロ野球歴代5位の通算525本塁打を放った清原和博氏(51)が6日、厚生労働省が都内で主催した依存症の理解を深めるための啓発イベントに出席。2016年2月に覚せい剤取締法違反で逮捕されて以来、3年ぶりに公の場に出て自らの現状を語った。薬物依存症は克服が難しく、いつぶり返すか分からない。清原氏も「やめ続けるのは難しい」と本音を吐露している。墜ちたヒーローは、再び道を踏み外さず、更正の道を歩むことができるだろうか。

 ■「苦しんでいる人のためになれば」登壇決め

 午後5時に都心で始まった、参加無料イベント「誤解だらけの“依存症”in東京」。事前に告知されていた元サッカー日本代表の前園真聖氏、歌手の大森靖子らの他に、大トリでサプライズゲストが用意されていた。特別トークセッションの進行役、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦薬物依存研究部長から、「勇敢にも参加を決意してくれた素晴らしいゲスト」と紹介され、清原氏が登場すると場内は騒然となった。

 黒いスーツ、水色のワイシャツに青いネクタイ姿の清原氏は特にやつれた様子もなく、「みなさん、こんばんは。清原です」とあいさつ。16年5月に懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。まだ執行猶予中の今回の出演依頼について、「正直、自分が逮捕されて3年になるんですが、コツコツと治療してきて、厚生労働省に認めていただいたのかなと思うと、すごくうれしい気持ちでした。少しでも自分のように苦しんでいる人のためになればと思い、すぐ自分では(出席を)決めました」と話した。

 その声音は若干震えていたが、松本氏によれば事前の打ち合わせの際に「最初はリラックスして入ってきたが、登壇が近づくにつれて『緊張してきました』と」。久しぶりの公の場で、ズラリと並ぶテレビカメラとフラッシュの洪水。緊張感からか、表情は硬かった。

 3年前の逮捕をきっかけに、弁護士に相談して薬物依存治療の専門病院を探してもらい、現在まで通院。「約2週間に1回、病院に通ってテキストを勉強したり、薬物について勉強したりすることで、どんどん自分はこうだったと理解できていってすごくよかった」。

 依存症に苦しみながらまだ治療に踏み出せない人に向けては、「自分の体験なんですが、薬物というものは一時的にやめられても、やめ続けることは自分自身では非常に難しいことだと思います。勇気を出して専門の病院に行ってほしい」とメッセージ。世間一般では使われない「やめ続ける」という独特な表現に強い実感がこもった。

 模範的な受け答えの中で、清原氏の口調がにわかに熱を帯びたのが、周囲の支援について語った部分だった。

 「本当にいろんな人に支えられています。自分の身近な人に、正直にものを言えることが一番、自分が変わったことだと思う。薬物を使っているときは薬物を使うためにウソをつき、自分をどんどん、どんどん追い詰めてしまい、ほとんど苦しみの日々でした。近くにいる人の理解があれば。今自分が苦しいんだと、つらいんだと言える環境があることが、一番大きいことだと思います」

 そう感謝をこめて力説すると、温かい拍手を背中に受けて会場を後にした。

 医療的な配慮から登壇時間は10分足らず。それでも松本氏は「こんな風に人前に出て、“やめ続けて”いる姿を見てもらうことに意味がある。(公の場に)出ることも回復のプログラムかもしれない」とうなずき、今回の人選の経緯についても明かした。

 清原氏が文藝春秋社のスポーツ誌「ナンバー」の取材を受け、昨年7月に書籍化された自叙伝「告白」を読んで、「この人は自分の問題と向き合えている。ぜひ出てほしい」と思ったのだという。

 松本氏はわが国の薬物依存症の治療と研究の第一人者。打ち合わせで接したわずか15分間の所感と断った上で「とても真面目な、紳士的な方。紳士であるがゆえに思い詰めてしまうのかな。一生懸命、治療を続けてきたんだなという印象」と“診断”。「うまくいかなかったことも含め、安心して『(薬物を)やりたい』『やってしまった』『やめられない』と正直に話せる場所が大事。そういう場所を持っていると思った。うまくいっているからこそ、出てこられたんじゃないか」と治療は順調とみる。

 清原氏本人の口にも上った、弱みをさらけ出せる理解者の存在。関係者によると、親身になってくれる支援者は都心や中部地方などに複数いる。こうした後ろ盾もあって、都内湾岸エリアの高級タワーマンションに住んでいるという。

 統計によれば、違法薬物の再使用は最初の1年が最も多く、3年が立ち直りへのひとつの目安とされる。清原氏の逮捕から3年が過ぎたが、松本氏は「それは3年間、1度もやっていないという前提ですよね?」と極めて現実的な見解を述べた。数々の患者を診てきた専門家は、更正への道のりが甘くないことを知っている。

 松本氏は「完治はしないかもしれないが、“やめ続ける”ことによって失ったものを取り戻すことはできる」が持論。清原氏が失ったものはあまりに多いが、この日のイベント出演がいまだにトップニュースで報じられるほどの世間の関心が、薬物依存症と闘う支えとなるだろうか。





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